学校法人 南山学園 南山高等学校・中学校女子部Nanzan Girls’ Junior & Senior High School

News & Topics

中学入学式・感謝祭 赤尾校長講話

2023.04.07News

本日、中学入学式・感謝祭を行いました。女子部では、「感謝祭」としています。多くの方に支えられてこの日を迎えた、その感謝の気持ちをもって、新入生たちはこれからの南山女子部での生活を過ごしていきます。

今日の赤尾校長の講話をご紹介します。

皆さん、中学入学おめでとうございます。

この中学入学は、皆さんにとっては何もかもが新しい始まりです。新しい校舎や新しい教室、新しい同級生、新しい先生、新しい科目、新しい教科書。新しいものづくしです。このように、これまでに経験したことのない新しいものに出会うと、私たちはどんなに楽しいことがあるだろうかとワクワクしたり、逆に大丈夫かなあと心配になってドキドキしたりします。このワクワクとドキドキの割合は、場合によりけり、人それぞれでしょうが、どちらも当たり前の自然な反応です。周りのみんなも同じように、多かれ少なかれ期待と不安の両方を抱えていますから、自分だけが取り残されているんじゃないかと心配したりしないでください。大丈夫です。

さて、中学校生活を始めるにあたって、詳しいことは担任や学年の先生方のお話をきちんと聞いてもらえればいいのですが、私からは2つのことをお話しておきたいと思います。

まず一つ目、学校生活の中で、何か楽しいことを見つけてください。私は皆さんに、学校に来るのが楽しいと思ってもらえればそれで十分です。どんなことでもいいです。あわててすぐに「これ」と決める必要もありません。何が自分に合っていのるかな、どんな楽しいことがあるのかな、と積極的に探しながら中学の学校生活を始めましょう。仲の良い友だちと過ごすことでもいいですし、夢中になれる部活動でもいいです。興味がある教科の勉強でも、面白いと思う先生でも構いません。どんなことでもいいので、楽しいと思えることをつくってください。小学生と中学生の違いは、何事もより深く掘り下げていく、つきつめていくということです。ですから、楽しいと思えること・興味があることが見つかったら、どんどん追求していってください。

そして更にその後が重要です。この自分の楽しみや興味を、少しずつ広げていってください。教会の前にある十字架を見てください。十字架は、中心の点から上下左右に大きく広がった形をしています。ちょうどこの形と同じです。十字架の中心は、あなた自身が好きなこと、関心や興味があることです。でも、それを一つの小さな点で終わらせず、少しずつ広げましょう。たとえば、読書が好きで好みのジャンルがあるなら、少し違う種類のものも読むとか、同じジャンルでもこれまで読んだことがない作家の作品も読んでみるとか、あるいは日本国内の地理が好きだったら世界の地理にも目を向けて比べてみる、話が面白い先生がいたらその先生が授業で教えている内容にも耳を傾けてみる、そして自分自身の興味だけではなくて友だちが一生懸命取り組んでいることにも関心をもって見てみる、などです。成長するということは、一つのことを深めていくのと同時に、「自分のことだけ」から、少しずつ世界を広げて、自分の外に目を向けられるようになる、ということです。それをまず、自分にとって楽しいこと・興味があることを見つけることから始めましょう。

二つ目のお話したいことは、感謝することについてです。南山の入学式は、ただの入学式ではなくて、「入学式・感謝祭」です。式次第にも書いてありますね。新たな学校生活を、まず「感謝」をもって始めます。

またこれも十字架を見てください。皆さんがいるのは中心、真ん中です。でもやはり、中心の点だけでは十字架はできません。十字架は縦と横の2本の線からできています。縦の線は、皆さんと保護者の方とのつながりです。皆さんが勉強に集中している間、直接見えてはいないでしょうが、皆さんのお父さんお母さんは一生懸命働いて、生活のために身の回りの世話をしてくださっています。口に出しても出さなくても、皆さんが気づいていても気づいていなくても、いつも皆さんのことを思って、何かあれば心配して、どうしてあげたらいいのかと自分の心を痛め、皆さんがどのようであっても大切に愛してくださっています。だから、今、こうして元気にここに座って、中学生活を始めることができている、まずそのことに感謝しましょう。

そして十字架の横の線です。いま横に座っている人の顔を見てください。左にも右にも、前にも後ろにも、たくさんいますね。それがあなたの仲間です。これから毎日、一緒に英語や数学の勉強をして、一緒に体育祭や文化祭を楽しんで、時々一緒に先生に叱られてくれる203人の仲間たちです。皆さんがわざわざ学校に来て勉強するのは、自分一人では学ぶことが限られているからです。いろんな特徴や考えを持った、いろんな人たちがいるから、皆さんの学校での学びは豊かになります。ですから、自分とは違う考え、自分とは違う性格や特技、自分とは違うものを持っている仲間との関わりを大切にして、その違いがあること自体を大切にして、みんなが一緒にいてくれることに感謝しましょう。

この二つのこと、学校生活の中で楽しみを見つけて少しずつ広げていくこと、ご家族や仲間たちがわたしと共にいてくれるから、今の自分があり、これからの自分があるんだと感謝すること、を心に留めてください。覚えていられるか心配しなくても、これから6年間、何度でも思い出してもらいます。そうすればきっと、これからの中学高校の6年間はすばらしいものになります。

あらためまして、保護者の皆様、お嬢様の中学ご入学おめでとうございます。これまで12年間、お子様と共に歩んでこられて、これから南山女子部での新しい6年間が始まります。生徒たちは自分がどんな状態であっても、ありのままの自分を受けとめて愛してくださるご家族がいるからこそ、安心して新しい学校生活にチャレンジすることができます。大切なお子様を学校としてお預かりすることになりますが、学校と家庭で共にお子様の成長を確かめ合いながら進んでいきたいと思います。皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

最後になりますが、生徒の皆さんと、ご家族の皆様のこれからの6年間の歩みに神の豊かな祝福があることを祈っています。」

補正400 267DSC08588.jpg