学校法人 南山学園 南山高等学校・中学校女子部Nanzan Girls’ Junior & Senior High School

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朝のこころ(2022年4月15日)

2022.04.21News

4月15日、赤尾神父様による「朝のこころ」です。

2022年4月15日朝のこころ「いたみによりそうやさしさを」

新たな年度が始まり、205名の新中学1年生が南山女子部に入学して私たちの仲間となりました。新入生の皆さん、改めまして入学おめでとうございます。先輩の皆さんたちは、もうこの新入生たちに会う機会があったでしょうか。とてもフレッシュでまぶしく見えますが、ふり返ってみると、上級生の皆さんたちも同じようにピカピカの1年生でした。

 さて、今年ではなく昨年の中学入学式の翌日、中1のオリエンテーション1日目の朝のことでした。この日、早朝の事故のため電車に遅れが生じ、ある中1の生徒がこの遅延に巻き込まれてしまいました。前日の入学式には保護者と登校したはずですから、この日が彼女にとって、中学生になって初めて一人きりで登校する日だったでしょう。そんな日にいきなり電車が遅れて、どうしていいかわからず、とても不安な気持ちになっていたに違いありません。新品の制服に身を包んだ彼女が新中学1年生であることに気づき、戸惑っている様子を見て取ったのか、そこに居合わせた女子部の先輩高校生が、一緒に連れだって登校してくれました。それだけでなく、学校のことをまだ何も知らない彼女に、遅刻したときの手続きを丁寧に教えてくれ、「遅刻申出用紙」の記入と職員室で先生にサインをもらうのを手伝い、ホームルーム教室まで連れて行ってくれました。更に、既にオリエンテーションが始まっていて担任の先生がお話し中で、この中1生が入室するのをためらっていると、先輩はそっと背中を後押しして教室に入るよう優しくうながし、そのまま静かに立ち去っていったそうです。

 通常登校の初日からトラブルに見舞われた新入生にとって、自分の不安な気持ちに気づき、優しくそばにいて助けてくれた先輩の存在は、どれほど心強かったことでしょう。その日には高校生もテストがあったので、先輩も急いで自分の教室に行きたかったはずです。けれどもまったく面倒そうなそぶりも見せず、最後まで付き添って一緒にいてくれました。さりげない優しさでよりそってくれました。

中学1年生の皆さん。女子部には、こんな素敵な先輩がたくさんいます。安心して学校生活を送ってください。そして皆さんも後輩ができたら、どうぞ同じようにしてあげてください。周りの人が喜んだり楽しんだりしているときに一緒に喜び楽しむのも素晴らしいことですが、悲しみや寂しさや痛みに気づき、共感し、よりそうことができるやさしさは、真に尊いものです。南山女子部での学びを通して、このような見えないものに目を向けられるやさしさを身につけられるように、これからの学校生活が恵み豊かなものとなるように祈っています。

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