学校法人 南山学園 南山高等学校・中学校女子部Nanzan Girls’ Junior & Senior High School

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朝のこころ(2022年2月21日)

2022.02.22

2月21日、赤尾神父様による「朝のこころ」です。

2022年2月21日 朝のこころ「チャンスの神様」

 明日は2022年2月22日、「2」がたくさん並ぶ日です。夜10時過ぎになれば、22時22分22秒と、更に2が6個並びます。200年後まで待つことができればもっとすごいことになりますが、残念ながらその瞬間を迎えられる人はこの場にはいなさそうです。

 2022年2月22日22時22分22秒と、これだけ同じ数字がそろうと、なんだか特別な時のように感じられます。時間としては、たとえば3日前の11時29分36秒と変わらない、流れていく時間の中の、どこを切り取っても同じ1秒のはずなのに、不思議なものです。

 新約聖書が書かれたギリシャ語には、「時」「時間」を表す言葉が2つあると言われます。「クロノス」と「カイロス」という言葉です。「クロノス」は物理的な時間、客観的な時間で、1秒1秒変わらず流れていく、いつでも同じ時間のことです。一方、「カイロス」は主観的な時間で、他の時と比べて特別な意味を持つ時間のことであり、ここぞという「チャンス」の瞬間でもあります。同じ一時間でも楽しい時間はあっという間に過ぎるように感じられるのに対し、退屈な時間は永遠に続く苦行かと思われるようなものです。

ギリシャ神話に登場する、神格化された「カイロス」は、頭の後ろ半分には髪の毛がなくて前髪だけが生えており、裸で足に翼がある神です。ですから、やってきた「チャンスの神」をつかまえられるのは、前髪に手が届く一瞬だけで、いったん逃してしまうと、飛ぶようにさっとすり抜けられて後からはとらえられなくなる、とされています。

つまり、「まあ、いつでもできるから後でいいや」と思って先延ばししていると、結局大切なことを逃してしまうということです。「どうしてもっと早く始めておかなかったのか」、「あのときやっておけば」と思っても、時すでに遅し。二度とやってこないチャンスを逃すことになります。

もしかして毎日が色あせて見え、つまらなく思えてしまうとしたら、それは今日が昨日と代わり映えがしない同じ時だと感じているからでしょう。けれども実際は、私たちをとりまく世界は、刻々とその姿を変えています。今、目の前にいる友だちは、昨日という日を乗り越えてちょっと大人になった友だちです。そしてあなた自身も、昨日のあなたとは違う、楽しいこともつらいことも含めて経験して、一歩成長した新しいあなた自身です。その毎日の一歩一歩が確かなものとなるように、どうぞ、目の前のカイロスの時を大切につかんでください。