学校法人 南山学園 南山高等学校・中学校女子部Nanzan Girls’ Junior & Senior High School

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朝のこころ(2021年12月6日)

2021.12.08News

12月6日、赤尾神父様による「朝のこころ」です。

2021年12月6日 朝のこころ「『信頼』を大切にする人に」

 先日、どこで聞いたかはっきり覚えていないのですが、考えさせられる言葉に出会いました。それは、「好かれる人になろうとするのではなく、信頼される人になりなさい」という言葉です。「好かれること」と「信頼されること」は決して相反するものではなく、同時に成り立ちうるものですが、まったく同じでもありません。好きではない相手でも、信頼できるということはあります。

誰だってすすんで嫌われたくはありませんし、一生懸命に生きた結果として誰かに好かれるのは素晴らしいことです。けれども、もし好かれることを第一の目的としてしまうなら、本当の自分がどんな人間かにかかわらず、自分を良く見せようととりつくろって、相手の望みにすべて応えようと無理をしてしまうことになります。相手によって態度をコロコロと変え、表面的に好ましいことを追い求めるご機嫌取りになってしまいます。それはもはや「いい人」ではなく、「都合がいい人」です。

 一方で、信頼される人になることを目指すなら、その人はいつも誠実であろうとして嘘なく生きようとします。他者からの評価、目の前のことに振り回されず、本当に大切なことを貫こうとします。その上でたとえ間違って失敗するとしても、そこに嘘がないことは見ていればわかります。その結果、好かれることもあるでしょうし、好かれなくても一目置かれることになります。

好かれようとすることは、相手の気持ちをコントロールしようとする行為です。好きか嫌いかは相手が決めることであって、自分でどうにかできることではありません。好き嫌いは一瞬にして変わることがありますが、信頼は自分の生き方を変えなければ、そうそう崩れるものではありません。

自分自身がどういう人間なのか、自分がどのように成長できるかには目を向けず、人からどのように評価されるかに固執して思い悩むのはむなしいだけです。信頼を築くのはなかなか難しいことですが、皆さんには、表面的な好き嫌いに振り回されず、信頼し、信頼されることを大切にする人になってほしいと願っています。

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