学校法人 南山学園 南山高等学校・中学校女子部Nanzan Girls’ Junior & Senior High School

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ダシオン校長先生からのクリスマスメッセージです。

2019.12.20News

馬小屋  (かけがえのないあなたへ)

クリスマスがまた巡ってきます。

12月に入ってから校内の馬小屋が設置され、

静かに行き交うすべての人たちを見守っています。

馬小屋は英語でThe Stable ~ be able to stand、自立できる~を意味します。

神の天使たちが見守るなかで

極貧の中で生まれたキリスト、

それを喜ぶ貧しき両親や羊飼いたちをみて学ぼうと思います。

自信を持ちましょう、

生まれた国や場所が違っても、

家柄や運命の道が違っても、

あなたもわたしも神さまから生まれてきた

その事実だけは疑ってはならないことです。

立ち上がりましょう、頭をあげましょう。

誇りをもって生きましょう、

後ろ向きの思考は自信のなさの証、

自分についてあきらめる人のすることだ。

いくら生活環境が悪くても、

それを不運とみなして嘆く、

そのマイナスだけに心が奪われないようにつとめましょう。

神が、母の胎内の時からわれらのなかに備えてくださった勇気で

運命のいたずらやマイナスからも一線の光を見出しましょう。

アコヤ貝(真珠貝)も、入って来る異物を

静かに受け止め、真珠に造りかえるのです。

われらは人間であり、アコヤ貝より優れているではないでしょうか。

幼子イエスと両親は、

自分の地元にでさえ、冷たくされ、人間の住む宿には彼らの居場所がありませんでした。(ルカ福音書2章7節)

冷たくされたあの体験からキリストは学んだのです。

「疲れた者、重荷を負う者は、わたしの元に来なさい。休ませてあげよう」(マタイ11章28節)

また、「子供たちをわたしの所に来させなさい。妨げてはならない」

(マルコ福音書10章14節)と生涯寛容さを貫きました。

キリストには復讐や倍返しなどの精神はありません。

馬小屋のキリストをみて学びましょう。

拒否された苦しみと孤独感から、温かく人を受け入れる心を育てましょう。

蔑まれた痛みから、人や生命あるすべてのものに畏敬を払いましょう。

「バカ」と言われたら、笑顔で人の優れていることを認めましょう。

「お前は人間のクズだ」と言われたら、クズなりに人のために生きましょう。

「お前は落ちこぼれだ」とけなされても、

自分の尊厳を勇敢に保ち、溢れるほどの幸せを心に蓄えましょう。

馬小屋は、自分の生命(人生)を無駄にしないようにと諭してくれるのです。

生命は聖なる宝

生まれた環境、家柄、学歴、成績、地位や名誉より遥かに尊い、金銀に頼った贅沢な暮しや派手な衣装に勝り、貧しさや病、または死でさえにも支配されていません。

われわれは神が考えているわれわれ自身になるのです。

神が与えてくれたその生命を咲かせるのです。

他の人間が考えているようなわれわれではなく、

親でも、兄弟姉妹でも、友だちでもないのです。

どんな家庭に生まれたとか、

どんな親に育てられたとか、

どんな先生に教わったとか、

暮らしが豊かなのか、貧乏なのか

それらのことってわれらが、われらになるための第一の条件ではありません。

一番たいせつなことは、われらに宿っている生命(人生)を如何に生きるかであると思います。

さあ、立ちあがりましょう、顔をあげましょう、かけがえのない自分を尊び

二人といない自分をたいせつにしましょう。

クリスマス、おめでとうございます!

(ヨセフ・ブルーノ・ダシオン、2019・12・25)