学校法人 南山学園 南山高等学校・中学校女子部Nanzan Girls’ Junior & Senior High School

News & Topics

朝のこころ(2019年12月2日)

2019.12.02News

ダシオン校長による朝のこころです。 

 「目覚めていなさい」

  おはようございます。

 昨日の日曜日より、全世界のカトリック教会は「待降節」に入り、教会暦上の新年を迎えました。これからの四週間は、信者の皆さんがイエス・キリストの誕生を祝うクリスマスを相応しく迎えるために、心の準備を行ってまいります。女子部校内にも、クリスマス飾りが施されたお陰で、クリスマスをより強く実感できます。

 教会は、クリスマスを祝うために重要なことを、待降節の4つのろうそくをもって示してくれます。第一週の「希望のろうそく」に続き、第二週の「愛のろうそく」、第三週の「喜びのろうそく」、そして第四週の「平和のろうそく」を灯します。希望、愛、喜び、平和というのはこの待降節の間に読まれる聖書の言葉の内容を反映するもので、この世に生まれてきたすべての人間が生きていくために欠かせない四つの力なのです。希望は、生きていく中で起こり得る様々な試練に立ち向かう勇気を与えてくれるのです。愛は、かけがえのない自分を受け止める力。喜びは、唯一無二の自分が持っている力で修めた成果を喜ぶこと。そして、平和は、希望と愛と喜びの最高の形なのです。平和は非暴力のことであり、自分の幸せを手に入れるために誰かを泣かせることをしない生き方です。

 イエスの誕生は、広大なローマ帝国が完成されてから間もない頃でした。絶対的な力を誇るローマ帝国の支配下におかれたユダヤの社会の片隅でイエスは誕生しました。イエスと両親の生活は、とても貧しかった。我が子を産むために、両親は宿を探したが、誰も受け入れてくれなかった。最後に、貧しい羊飼いたちがいざとなったときに利用する避難小屋で生まれ、一枚の使い古された布で包まれ、飼い葉桶に寝かされた。聖書は、この極貧の中の誕生にも大きな喜びがあり、神と天使たちも祝福してくれた、と語っています。

 この待降節の間に読まれる聖書の言葉によく出てくる重要な言葉は「目覚めていなさい」。これは、無意識の中で、希望、愛、喜びと平和に満たされている大切な自分を忘れてしまうことからの目覚めなのです。

 日本でのクリスマスは、社会全体が、いろいろな形で祝っています。教会まで足を運ばなくても、町の中に出ていけば、そこに、キラキラと輝くクリスマス飾りが、希望、愛、喜びと平和に輝く自分を思い出させてくれるのです。クリスマスがキリスト教の枠を越えて、幅広く祝われるのは、他人が自分の良さを理解せず、認めてくれなくても、自分だけは、自分を誇り、勇気をもってその自分を生きることの大切さを教えてくれるからです。自分を大切にすることを忘れないでください。

 そして、最後になりますが、これから誕生を迎えるすべてのこどもとその誕生を待ちわびるすべての両親のためにお祈りします。

                   ヨセフ・ブルーノ・ダシオン