学校法人 南山学園 南山高等学校・中学校女子部Nanzan Girls’ Junior & Senior High School

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朝のこころ(2019年11月18日)

2019.11.18News

ダシオン校長による「朝のこころ」です。  

フランシスコ教皇の訪日

 おはようございます。

 今週末、11月23日に、ローマカトリック教会のフランシスコ教皇が来日されます。長崎、広島と東京がご訪問の予定です。ローマカトリック教会の長い歴史の中では、イタリアやヨーロッパ以外の地域出身の教皇は、アルゼンチン出身のフランシスコ教皇が初めてとなります。それだけではなく、カトリック教会の堅い伝統を破る教皇としてもよく知られています。教皇が一番大切にしているのは、人々と直接に触れあうことで、日本の水戸黄門さんにたとえられます。

 訪日のテーマは「Protect All Life, 全ての命を守るため」となっていますが、その内容は、南山学園の教育精神「人間の尊厳のために」と同じです。わたしたち一人ひとりは、神の似姿としていのちを与えられ、すべての人とともに永遠の命の源である神に向かって導かれています。そして、この世界も、神によって、人間とその他のすべての命あるものの住むところとして形つくられ、保たれています。「すべてのいのちを守るため」には、人間一人ひとりの尊厳はもちろんのこと、環境も、そしてその中にあるすべてのいのちを大切にしなければなりません。一つのいのちを軽んじることは、全宇宙が崩れてしまうことを意味します。

 このテーマに、現代科学と技術の発展がもたらした様々な問題や苦しみを忠告することも含まれています。日本へのご訪問なので、教皇の心には、広島と長崎に投下された原子爆弾のことおよび福島原発事故のこともあります。科学と技術本来の果たすべき役割、すなわち、自然の豊かさと人間やその他の生命の幸せを守ることを、真剣に考え、取り組むことです。

 ここにいるわたしたちも、神のいのちをもっている者として、お互いがつながっていること;お互いがいて、お互いが生きていることを忘れないように。お互いに笑顔と挨拶を忘れずに、過ごして参りましょう。         

                                    ヨセフ・ブルーノ・ダシオン