学校法人 南山学園 南山高等学校・中学校女子部Nanzan Girls’ Junior & Senior High School

News & Topics

朝のこころ(2019年7月1日) 

2019.07.03News

ダシオン校長による「朝のこころ」です。

2019年7月1日 朝のこころ

「他人と違った人になる」

皆さんは、相田みつをさんの詩「トマトとメロン」をよく知っているでしょう。

          「トマトとメロン」*)

   トマトにねえ/いくら肥料やったってさ/メロンにはならねんだな

   ...

   トマトより/メロンのほうが高級だなんて思っているのは/人間だけだね

   それもね/欲のふかい人間だけだな

   ...

   トマトもね メロンもね

   当事者同士は/比べも競争もしてねんだな

   ...

激しい競争社会の中で生きている多くの私たちの苦しみ、悲しみは、他人を見て自分を考え、

評価することです。しかも、それは、自分と他人が対等な存在ではなく、自分は他人より低いと思ってしまうからです。その結果、「他人のようになりたい」、「他人のようになりたい」と思い悩むのです。

このような余計な思い悩みは、人間の持っている悪い癖の一つです。

この悪い癖を無くそうと、昔のユダヤ人の親は、毎朝、自分の子どもに、「他人よりも優れようと思わなくていい。他人と違った人になりなさい」といいながら、朝ご飯を食べさせたそうです。

新約聖書では、パウロは、前向きに勧めてくれます。キリストにおける生きる喜びの規範になるのは、「兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思う」ことです(ローマ12章11節)。

わたしたち人間は、たれ一人として同じ人間はいません。そして、たった一人しかない自分を、ほかのだれもがその代わりに生きてくれることはできません。自分だけが、本当の自分を信じることができることです。その自分を、他人は勝手に批判することなどできません。

いよいよ第二回定期考査が始まります。これは、他人との競争ではなく、優れている自分の力を育てるための良い機会です。喜んで第二回定期考査を迎えましょう。

―――

*)相田みつを詩集『いのち=いちばん大切なもの~』、文化出版局、32頁