学校法人 南山学園 南山高等学校・中学校女子部Nanzan Girls’ Junior & Senior High School

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朝のこころ(2019年5月20日)

2019.05.20News

ダシオン校長による「朝のこころ」です。

2019年5月20 朝のこころ

「「母の日」「父の日」~子どもの感謝心による

 5月12日に「母の日」、また、来る6月16日に「父の日」のお祝いがあります。

これらのお祝いの起源については、いろいろな説があります。そのうち、古代ギリシア時代に行われたクロノスの奥さんレア(Rhea)を祭る儀式や旧約聖書の『出エジプト記』にある「十戒」や『箴言』と言う書物の戒めに由来する説があります。

現代風の「母の日」と「父の日」は、17世紀のイギリスとアイルランドの「母の日曜日(Mothering Sunday)」と言われていますが、日本の「母の日」と「父の日」のお祝いは、アメリカの習慣を受け継いだものだそうです。

 アメリカ合衆国での「母の日」を始めたのは、アンナ・ジャービスという女性の方です。彼女は、1909年5月9日に、教会で自分の母親の葬儀が行われていたとき、苦労して育ててくれた母の優しさへの感謝として、参列くださったすべての方に白いカーネーション(花言葉:亡き母を忍ぶ)を配りました。花をもらった方々は深い感動を覚え、その感動がアメリカ全土に広まり、米国議会と大統領の心を動かしたのです。そして1914年、ウイルソン大統領によって、5月第2日曜日を「母の日」と制定されました。日本では、1915年に教会で祝われたのが最初でした。

一方、「父の日」発祥のきっかけは、ソナラ・スマート・ドッドという女性の方だそうです。彼女は、母親に感謝するための「母の日」があるならば、父親に感謝するための「父の日」があるのも当然だと考えました。ソナラさんの考えの裏には、やはり、父親への感謝の思いがあります。彼女が16歳の時に母親を亡くし、父親が男手一つで彼女と5人の兄弟を育ててくれました。ソナラは、そのような父親への感謝と尊敬を表すために、父親の生まれた月である6月の日曜日に教会で感謝の礼拝を行なった。それが、1909年6月の第3日曜日でしたので、今の「父の日」の日付となっています。1972年に、リチャード・ニクソン大統領によって、6月第3日曜日を「父の日」として制定され、国民の休日となりました。

 このように歴史を見てみますと、「母の日」「父の日」は、親たちの願望によるとか、国が勝手に制定したお祝いではありません。発祥のもとは、子どもたちの親への感謝する気持ちです。

どんな礼拝やプレゼントよりも、わたしたち子どもの心に「産んでくれて、ありがとう」「育ててくれて、ありがとう」という気持ちを大切にすることは、お父さんとお母さんへの最高のプレゼントなのです。