朝のこころ(2018年1月15日)
2018.01.15News
1月になりました。あたらしい一年が、皆様にとってすばらしいものになりますようお祈り申し上げます。今年もよろしくお願いいたします。今年初めての「朝のこころ」です。
*2018年1月15日 朝のこころ「十円玉 ~ 物の価値って、何で決まるの? ~」
おはようございます!どうぞ挨拶して、ご着席ください。
友達がメールでシェアーしてくれた感動的なお話をぜひ皆さんと分かち合いたいと思います。「物の価値って、何で決まるんだろう?」という疑問に答えてくれるような、心温まるお話です。
ある一人の知的なハンディを抱えている子がいました。幼稚園は、近所の子供たちと一緒に通っていたそうですが、小学校に上がるとちょくちょく学校を休むようになり、一年生が終わる頃には、全く学校へ行かなくなってしまったそうです。二年生になっても、三年生になっても、その子は学校に行こうとはしませんでした。そして、四年生に上がる頃、父親と母親が話し合って、中学生になるまで養護学校に預ける事にしました。養護学校には寮みたいなものがあって、勿論、家に帰る事はできませんでした。
四年生で入ったその子は、一年生の学習から始めなければなりませんでした。専門の先生が、一対一で主要教科を一年生の問題から、丁寧に教えていきました。その日習った新しい事を、毎日毎日、その子は母親に電話で報告していました。覚えた漢字も、沢山になると、少し難しい本も読めるようになりました。ほんの少しずつではありましたが、一年間でその子はたくさんの事を学び、覚えていきました。
その子をずっと教えていた先生が、ある日、算数を教えようとしてお金の問題を出しました。「ここに、五百円玉、百円玉、十円玉、三つのお金があります。どのお金が、一番大きなお金ですか?」と、その子に質問しました。「十円玉」と、答えるのだそうです。先生は、「五百円なのよ」と、教えましたが、同じ問題を繰り返すと、どうしてもその子は、「十円玉」と、答えてしまうのです。何度も、何度も、やはり答えは、十円玉だったので、先生は、「五百円玉と、百円玉と、十円玉では、五百円玉が一番たくさんのものが買えるのよ。だから、一番大きいのは五百円玉でしょ?」と言うのですが、その子が、どうしても違う、十円玉だと言うので、先生は「それじゃ、十円玉のほうが大きいと思う訳を言ってごらん」と、言ったそうです。するとその子は、
「十円玉は、電話が出来るお金。電話をすると、お母さんの声が聞けるのよ」そう、いったそうです。
皆さんが持っている物の中で、その価値は何で決まっているのでしょうか。持っている物、日々使っている物の価値を一体深く考えたことはあるのでしょうか。物を簡単に捨てたり、失くしたりすることはないでしょうか。私たちはともすると周りの状況や情報に振り回されて、本当に大切なものを見失っていることが多いのかもしれません。本当に大切なもの、物の大切さ、さらに物に対する感謝の心を今一度振り返る機会になればと思います。