2026
校長メッセージ
校長先生講話 2026年4月6日始業式
「わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。わたしのこれらの言葉を聞くだけで行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家に襲いかかると、倒れて、その倒れ方がひどかった。」(マタイによる福音書7章24-27節)
新年度が始まりました。まずは高校一年生の皆さん、高校への進学おめでとうございます。中高一貫の学校で普段はあまり意識しないかもしれませんが、高校生は中学生とは様々な面で違います。あわてたりあせったりする必要はないけれども、新鮮な気持ちを持ち続けていろんなことに取り組んでください。その点では他の学年の皆さんも同じです。新しい学年、新しいクラス、新しい環境の中でそれぞれ始まりを迎えていますが、気持ちを新たに一つ一つのことに丁寧に向き合ってほしいと思います。
さて私は時間があるときのひまつぶしとして、時々おもしろい動画を見ることがあります。いろんな種類の動画を見ますが、動物関連のものもなかなか興味深いです。ワニやカバがすごい勢いで泳いで近づいてくるのを逃げるボートから撮影している緊迫感のある映像とか、動物園でフラミンゴの群れの中にアヒルが一匹いて、健気に自分も一本足で立とうとしているほのぼのとした様子などです。他にも、人間よりよほど運動能力に優れた動物が失敗するのも普段なかなか見られない珍しい場面でおもしろいです。たとえば動物がジャンプに失敗する「Jump Fail」というジャンルがあります。私のお気に入りは、飼い猫がベランダの手すりから隣の家に跳び移ろうとしてジャンプするけれども、足を滑らせて踏ん張ることができずに四本の足を延ばしたまま手前で落ちていく、という映像です。このように、いくら敏捷性に優れた動物でも「軽く体を沈めて踏ん張る・踏み込む」という予備動作がきちんとできていないと遠くまで跳べません。
私たちも同じです。高く遠い目標に到達しようとするなら足元にしっかり力を入れる必要があります。先ほど聖書朗読で岩と砂のそれぞれを土台とした家の話を読みましたが、マンションなどの建設現場を見ていると、高い建物を建てる際には最初に地面を何メートルも下に掘って、基礎をコンクリートで固めるという工程があります。いきなり上に向かって鉄筋を組んで建物を作らない。上に行く前に、逆に下に目を向けます。植物もそうです。木は高く伸びて成長していくために、見えない地面の下で深く根を張っています。逆に台風で倒れた木などを見ると、案の定、根が弱っていたりして見えている部分ではなく、見えない下に問題があったのだとわかります。
皆さんも新年度になってやる気に満ちあふれていると思いますが、何事でもすぐに成長できて実を結ぶわけではないので、あこがれに目を奪われていたずらに結果を求める前に、まずはしっかり土台を据えることに取り組んでください。固く大きな土台ができれば、その分、後で高く積み上げていくことが可能になります。
人間関係においても、特に中学二年生はそうかもしれませんが「せっかく一年かけて仲良くなったのに、また一から友だちづくりか」と心配に思うかもしれません。でも、十分に関係がつくられる前に先走って自分の気持ちばかり押しつけたり、踏み込み過ぎたり、決めつけたりしてしまわないように。あせらず周りの人の気持ちに目を向けることから、少しずつお互いのことを知り合うことから始めて、新しい友人関係をつくっていくようにしましょう。
それでは、今年度も一人ひとり個人として、クラスや学年として、学校全体として成長できるように一緒に頑張っていきましょう。
