南山高等学校・中学校女子部

NANZAN VOICE

2026

校長メッセージ

校長先生講話 2026年2月27日

2026年2月27日(金)

皆さんは、「信用」と「信頼」の違いは何だと思いますか。老化のせいではっきりとした記憶がないのですが、去年だったか一昨年だったか、長期休み中のある日、ある生徒たちが「信用」と「信頼」という言葉の意味や用法の違いについて疑問を持ち、職員室にやってきて国語の先生を一人ずつ呼び出しては2つの言葉の違いについてどう思うかと質問をしていました。宿題やテストの問題というわけでもないのに、一生懸命自分たちで考えて、辞書を引いて、いろんな人の考えを聞いて更に考えようとする姿勢がすばらしいと感じましたし、また言葉の違いに気づき大切にする繊細さにも感心させられました。

 

さて、私は最近耳にした言葉で、「悩むな、考えよ」というフレーズが心に残っています。池田晶子(あきこ)さんという方の言葉です。これも「悩む」ことと「考える」こと、2つが似ているようでいて、その違いを区別しているからこそ発せられたものです。異なる言葉としてあえてわかりやすく対比させるなら、「悩む」というのは答えが出ないところでグルグルと同じ不安を感じ続ける状態、解決できないという状況自体に縛られて、実は思考が停止している状態であり、「考える」というのは「どうしたらいいのか」と単に解決策をひねり出そうとすることではなくて、それ以前にそもそも今考えていることが本質的にどういうことなのか、どんな意味があるのかを掘り下げていくこと、だと言われています。

 

問題の表面的なこと、そこから派生する苦しさだけにとらわれて動けなくなりがちな私たちに対して、ものごとの本質に思いを向けさせてくれているような気がします。もちろん悩みはどうしてもゼロにはできないでしょうが、皆さんもできるだけ「悩む」ことから解放されて、「考える」ことによって、もっとものごとを深く大きく受けとめられるようにと願っています。

 

それと同時に、言葉を使い分ける細やかな心遣いも大切にしてほしいと思います。本質を描き出すためではなく周りをかき乱すように言葉を使ったり、ニュアンスが伝わらないような雑な仕方で強い言葉を発したりしないようにしましょう。言葉はあなた自身の写しです。自分自身を丁寧に表現してください。