朝のこころ(2019年10月7日)
2019.10.07News
ダシオン校長による「朝のこころ」です。
2019年10月7日 朝のこころ
Prosit!~祈りと努力
今、私が住んでいる修道院では、毎朝、ミサがあります。ミサに与るのは当然のことですが、そのミサの主式者の当番は、一週間ごとに変わります。住んでいる神父は、多国籍なので、ミサの雰囲気も、進め方もさまざまです。
一人のイタリア出身の神父は、ミサの終わりには、必ず「Prosit(プロシット)」ということばを口にするのです。これは、ラテン語のことばですが、ドイツやオランダでも日常、よく使われていることばです。一般的な意味は、日本語の「乾杯」または「あなたの成功を祈ります」や英語の「I wish you success」と同じです。
ミサの締めくくりの言葉としての意味は、「あなたの成功を祈ります」も含まれていますが、そこには「ミサの中で、神様に祈り求めたことが叶えられるかどうかは、神の恵みと祈ったあなたの努力次第です」という意味の戒めが含まれています。
毎日ミサに与り、神様に「〇〇をください」と祈るだけで、自分は何の努力をしなければ、求めるものは遠いものになるだけです。
ヨハン・ウォルフガング・ゲーテのことばには、「涙とともにパンを食べた者でなければ人生の意味はわからない」。また、聖書の詩編126には、「涙と共に種を蒔く人は、喜びの歌と共に刈り入れる。種の袋を背負い、泣きながら出ていった人は束ねた穂を背負い喜びの歌を歌いながら帰ってくる。」
どちらも、わたしたちのひたむきな努力を教えてくれるのです。
季節も入れかわりつつあります。昼を除いて、朝夕は秋が感じられるようになりました。秋は実りの季節と言われていますが、それは春、梅雨、夏を通じて努力し続けてきた自然の営みがあったからではないでしょうか。
女子部の学校祭関連行事も、今週の体育祭だけが残っています。文化祭と体育祭でみなさんの努力と元気を2学期の勉学にも生かせることを願っています。
季節の変わり目に、くれぐれも、お一人お一人の体調管理を万全にしてください。
ヨセフ・ブルーノ・ダシオン