学校法人 南山学園 南山高等学校・中学校女子部Nanzan Girls’ Junior & Senior High School

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朝のこころ(2018年11月26日)

2018.11.30News

今週は、ダシオン校長による「朝のこころ」です。

20181126 朝のこころ

「失敗を恐れない

 

11月6日に、男子部の修学旅行に同行し、広島に入りました。

広島駅から宮島のフェリー乗り場に向かうバスの中で、ガイドの方が、ご自分はカープの熱烈のファンだと自称し、11月5日(月)の中国新聞朝刊を手に、今シーズン限りでプロ野球選手生活を引退された、広島カープの新井貴浩選手を称える広告について熱く語りました。心の中では、「せめて、こちらは名古屋から来たことを配慮して、「嘘も方便」で中日ドラゴンズのこと、特に話題になったドラフト1の根尾選手の話をしてくれると嬉しいのに」と思いながら、その話を聞いていました。

その広告は全2ページで、表は新井選手のプレーを伝える記事の切り抜きがまとめられていますが、「新井ブレーキ」「絶好球見逃す」「流れを変えた空振り」など、新井選手が失敗した場面の写真がたくさん記載されたものでした。その裏の一面は、広島カープの真っ赤な色を背景に、そのページの真中に新井選手の小さなガッツポーズするシルエット、そして「結局、新井は凄かった」というメッセージが添えられていました。このページの右下の隅に、広告主の黒田博樹さん(元カープのピッチャー)のお名前も記載されてあります。

「引退を記念する広告だから、ベストパーフォーマンスの写真だけを提供してくれると、新井選手のファンは嬉しい」と思った人は少なくはないでしょう。しかし、盟友の黒田博樹さんが、わざわざ大金を出して、広告を出されたことは、なにかの意味があるからではないでしょうか。

お二人からは、もちろん、その理由については、なにも確認されていませんが、その時のバスガイドの方が言ったことばに、その広告の意味があると思います。「あれは、ファンやこの広告を見た人たちへのエールなんだ」。「名選手やヒーローと称えられる人物のサクセス・ストーリーの裏には、必ず数えきれないほどの失敗や苦悩があるんだな。これらのマイナスの体験がなければ、新井貴浩という英雄は現れなかった」。

わたしたちも、いつかは自分のサクセス・ストーリーを描きたいでしょう。

その条件は、ただ一つ、失敗を恐れないこと。失敗を恥と思わないことです。

自分の日記に「幸」という漢字を書いて、ときどき、それを眺めてください。最初に書く一番上の一本の横線が「幸せの一本」と言われています。問題は、残りの部分をどう読み、どう理解するか、です。わたしは「努力」・「自分との闘い」という意味があると考えています。